001 ホワイトハウスの住人

−暗殺事件後、ホワイトハウスで目撃されるリンカーン大統領−



 1865年4月14日夜、第16代アメリカ合衆国大統領、エイブラハム・リンカーンが劇場で観劇中に南軍びいきの俳優に背後から頭を撃たれ 翌日息を引き取った。
 この有名な暗殺事件には後日談がある。死んだはずのリンカーンが各地でたびたび目撃されたのだ。 なかでもリンカーンが頻繁に出没したといわれるのがホワイトハウスである。
 たとえば、第23代大統領ハリソンのボディーガードはリンカーンの足音やドアを開け閉めする音に悩まされれ、霊媒師を呼んだほどだ。 また、20世紀はじめのオランダ女王ウィルヘルミーナもホワイトハウスに滞在したさい、ドアをノックする音を聞き開けてみると、 リンカーンの幽霊と出くわし、ショックのあまり気絶したという。 他にも、クーリッジ大統領夫人、フランクリン・ルーズベルト大統領夫人も、リンカーンの気配を感じたり、姿を見たと語っている。
 彼らが目撃したのが本当にリンカーンの亡霊であったかは謎であるが、こうした噂を聞いたイギリス首相チャーチルはリンカーンが使っていた 寝室に泊まるのを嫌がり、別の部屋に移ったとつたえられている。




怪奇の扉 002
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