002 スリーピーホロウ伝説

−幽霊話で名を上げた作家が、死後自分が幽霊に−



 スリーピーホロウといえば、ジョニー・デップ主演の映画だが、もともとはニューヨークの都市伝説である。開拓時代に首を切られ殺された ドイツ人騎士の亡霊が夜な夜な犠牲者を求め、森の中をさまよっている。
 この都市伝説を題材に、短編小説を書き上げたのが、19世紀初頭の作家であるワシントン・アーヴィングである。
 アーヴィングの死後、生前彼が暮らした家は、甥のビアが相続したのだが、ビアが二人の娘と1階のリビングでくつろいでいると、なにかの 気配を感じ目を上げるとワシントン・アーヴィングそっくりの人影がリビングを横切り、書斎のほうへ消えていくところだった。
 ビアが呆然としているうちに、二人の娘は「あ、叔父様だわ」と声を上げ、その人影が消えてきった書斎に飛び込んでいったが、書斎には誰も おらず、アーヴィングが亡くなって以来、そのままの状態で保存されたままになっていた。
 アーヴィングの家「サニーサイド」は、今でもニューヨーク郊外のタリータウンに残っており、観光名所となっており、この手の話が好きな人には 心霊スポットとしても有名である。




001 怪奇の扉 003
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