006 ルイーズの指輪
−身に着けた者に不幸をもたらす指輪−
16世紀、フランスの大貴族コンデ公の妃が急死した。妃が亡くなった直後、妃の侍女だったルイーズが森を散歩していると、貧しい身なりをした 親子に出会った。不憫に思ったルイーズが金を与えたところ、お礼に指輪を渡された。それは、「幸福の指輪」だと言う。
ルイーズが指輪を身に着けると、なぜか彼女はコンデ公に急に気に入られ、プロポーズされた。ルイーズに断る理由はなく二人は結婚した。 そして、ある日ルイーズが叔母のローランスと散歩していると、木陰に一人の男が立っていた。ルイーズは男を見ると真っ青になったが、ローランス が問いただしても「何でもないのよ、大丈夫」と言うだけ。
その数日後、今度は男が城を訪ねてきた。男が去った後、ルイーズが出て来ないのを不審に思った侍女が部屋を開けると、彼女は苦悶の表情を浮かべ 血まみれになって死んでいた。
その後、ローランスはルイーズの死を悲しみ、彼女の指輪を形見として身に着けると、今度はコンデ公がローランスに結婚を申し込んだ。不審に思った 彼女は指輪のせいに違いないと考え、指輪を川に投げ捨ててします。すると、コンデ公は急に彼女に冷たく当たるようになり、城から彼女を追い出してしまった。 呪いの指輪を捨てたことで、ローランスは命拾いをしたがショックで心を病む事になったと伝えられている。
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怪奇の扉
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