001 ジェフリー・ダーマー

−男を殺しては犯し、死体を塩酸で溶かす−



 1991年7月22日午後11時過ぎ、ウィスコンシン州ミルウォーキーのダウンタウンでの出来事である。 2人の巡査がパトカーで巡回していると、左手首から手錠をぶら下げた黒人の青年が金切り声を上げて飛び出して来た。 なんでも若い白人の男にアパートに連れ込まれ、いきなり手錠をかけられたのだと云う。半信半疑だった巡査たちは、 彼があまりにも真剣なので、一応そのアパートに行ってみることにした。
 案内されるがままにアパートを訪れ、213号室をノックすると、大人しそうな白人男性が顔を出した。ジェフリー・ダーマーである。 彼は警察に対し、冷静に対応したが、部屋があまりに臭いために警察官が中を調べると、とんでもないものが出てきた。バラバラにされた 何人もの遺体である。
 死体はありとあらゆるところに収められていた。冷蔵庫の中には4つの頭部といくつもの肉片が、ファイリング・キャビネットの上段には3つの頭蓋骨、 下段には各部の骨が、箱の1つには2つの頭蓋骨とおぞましい写真アルバムが収納された。 鍋の中では2つの頭部が煮えて崩れかけており、その他の容器も手足や臓物でいっぱいである。 ガラス瓶の中には男性器がホルマリン漬けにされている。玄関に置かれた青い樽は塩酸で充たされ、中では3つの胴体が溶解されていた。さらに、冷蔵庫には人肉以外に食物らしきものが全く なく、これはジェフリーが暗に人肉を食べていた事を示唆している。

 このような犯罪を行ったジェフリーには、子供の頃からすでに死体を好む兆候があった。小学生の頃には、ウサギを殺して硫酸にいれて溶かしてみたり、犬の 首を切断して自宅の家に飾ったりしていた。彼が最初の殺人を犯したのは高校を卒業して1か月程が経ってからである。ヒッチハイクをしている男の子を自宅に招き 楽しいひとときを過ごしたが、彼が帰る言い出したため、躊躇する事なく彼の首を絞めてそのまま殺した。死体にしてしまえば彼とずっと一緒にいられる。。。そして 死体は刃物を使ってバラバラに解体した。

 1989年ジェフリーはラオス人の少年に50ドルを支払い、少年の裸を撮影しようとした罪で、10か月の刑務所生活を送る事となった。この刑務所生活のなかで、ジェフリーは 黒人男性に強姦されてしまう。この事が後のジェフリーの凶器に一層拍車をかけることとなった。
 1990年3月、ジェフリーは出所しこの時から本格的な殺戮が始まった。男にしか興味を示さないジェフリーのターゲットは少年と黒人男性である。獲物を見つけると言葉巧みに 自分のアパートに誘い込み、薬物を混ぜた飲み物を飲ませ身体の自由を奪い、首を絞めて殺した。殺害後は服を脱がせ裸にし、心ゆくまで男性の身体を犯し、犯しきった後は 身体をバラバラに解体する。ジェフリーは解体の様子をきちんと写真に残していた。
 また、ジェフリーはアパートの部屋を高価な防犯システムで固めていた。これらの装置は外部からの侵入を防ぐためよりも、内部からの逃亡を防ぐのが目的であった。 ジェフリーの部屋の下の住人は、「ジェフリーの部屋から大きな話し声がよく聞こえていた。」と証言している。だが不思議なことにジェフリー以外の人間の気配はしていなかった。 もちろん、これはジェフリーの話し相手が、もの言わぬ人間の部位だったからに他ならない。
 ジェフリーの殺人は1991年夏ごろから加速度的に増加したが、18人目の犠牲者となるはずだった黒人男性が、ジェフリーの元から逃げ出し警察に助けを求め事件が発覚したのである。

 ジェフリーが殺害・解体した人間は17人。懲役936年という異例の判決が下り、ウィスコンシン州ポーテージにあるコロンビア刑務所に収容されたが、1994年11月28日、同じ刑務所に 服役していた黒人男性に鉄の棒で頭を殴られ殺害された。    




シリアルキラーの扉 002
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