002 エルノ・ソト

−黒人少年を殺害し去勢する−



 1972年3月9日、ニューヨークのイースト・ハーレムで8歳の黒人少年の遺体が発見された。首や胸や背中を 38回も刺されたうえ、ペニスが切断され皮一枚で胴体に繋がっていた。
 4月20日、今度は10歳の黒人少年が襲われた。一命は取り留めたが、ペニスは完全に切断されていた。少年は トラウマゆえに満足に証言ができなかった。
 ハーレムの黒人少年を専門に襲って去勢するこの異常者は、やがてマスコミにより「チャーリー・チョップオフ」と 名づけられた。
 10月23日には9歳の少年、1973年の3月7日に9歳の少年が殺害され、同じように去勢されていた。また、8月17日には8歳の少年が 犠牲者となったが、凶器はナイフではなくカミソリでペニスも切断されていなかったため便乗犯である可能性も指摘されている。

 1974年5月25日、9歳のプエルトリコ系の少年を誘拐しようとした罪で、プエルトルコ系のエルノ・ソトが逮捕された。かれは取り調べで 自分が「チャーリー・チョップオフ」であることを告白した。
 エルノ・ソトはゲイではなかったが、黒人を去勢するだけの理由はあった。自分の妻が黒人の子を産んだのである。表面上は平静を 装っていたソトであるが、次第に奇行が目立ち始め、1969年精神病院に収容された。そして、退院後、「チャーリー・チョップオフ」の 犯罪がおかなわれた。
 しかし、唯一の生き証人はトラウマから、ソトを犯人として指差す事を拒否。またソトの精神状態から有罪に持ち込む事は困難とみられ、 ソトは精神病院に送り戻され、事件は公式には未解決のままである。




001 シリアルキラーの扉 003
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