004 ウォン・チーハン

−殺害後、人肉を肉まんに−



 1985年8月8日、マカオ北部の海岸で老人の手首や男女の足やカカトの一部が発見された。当初 警察はサメの被害にあったものとして処理したが、それから8ヶ月後、親戚の一家が行方不明となり、 知らない男が店を経営していると言う 内容の手紙が香港市警に届いた。手紙の差出人は八仙飯店の店主の弟だった。 サメの被害に遭ったとされた肉片を鑑識で 調べてみると、行方不明の一家のものと断定されたため、警察は八仙飯店を経営していた男を 逮捕した。

 逮捕された男はウォン・チーハン(当時50歳)。10代の頃から悪いことばかりしてきた男である。 1973年に香港に住む資産家の家に押し入り、老夫婦を風呂桶で溺死させ金を奪い 指を火で焼き指紋を消し、マカオに逃走。数年間、日雇いの仕事をした後、中華料理店で 働き始め、その店の数メートル先にある「八仙飯店」の店主と賭けマージャンをする仲になった。 しかし、八仙飯店の店主は負けても金を払わず、関係は悪化し路上でつかみ合いの喧嘩をするまでになった。

 1984年8月のある日、ウォンは八仙飯店に押し入り、中華包丁で店主の首をはねて殺害。さらに、妻や子供 5人等そこに居合わせた計10人の首を切断。殺害後、遺体を厨房で細かく切り刻み胴体から取った人肉を スープと肉まんの中にいれ、余った手足をビニールに入れて海に遺棄した。
 その翌日、ウォンは地元の役所に出向き、八仙飯店の不動産を騙し取り、店の経営をしていたのだった。

 警察の取り調べに対し、ウォンは一家が引っ越して行ったので店を譲り受けたと主張し容疑を否認。 しかし、留置されている間に言動がおかしくなり悲鳴をあげたり、糞尿を漏らしたりするなどの奇行 が見られるようになった。その後、病院のベッドの上で独り言で犯行を自供したが、起訴されると 缶ジュースのプルトップで手首を切り自殺した。


 <参考資料>
  ・八仙飯店之人肉饅頭 [DVD]
  ・八仙飯店之人肉饅頭 BOX [DVD]




003 シリアルキラーの扉 005
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