005 エド・ゲイン

−羊たちの沈黙、サイコ等のモデルとなった殺人鬼−



 1954年、アメリカのウィスコンシン州のプレインフィールドという田舎町で酒場を営むメアリー・ホーガンという 中年女性が行方不明となった。床には退場の血だまりを残したまま失踪したのである。その3年後の1957年11月16日、 バーニス・ウォーデンという未亡人が行方不明となった。

 捜査線上に浮かび上がったのが、以前から夫人に言い寄っていたエド・ゲインである。留守中のゲインの家に 踏み込んだ警察は、ありえない光景を目にした。暗がりには何かがぶら下がっていたのだが、それをライトで 照らすと、天井から逆さづりにされたウォーデン夫人だった。夫人の体は、陰部から胸まで切り裂かれ、首はなかった。
 さらに、エド・ゲインの家には様々な死体加工品が並んでいた。頭蓋骨でできたスープ椀、顔の皮で作った 人面マスク、人の皮で作ったランプシェードやブレスレット、太鼓さらに9つの干し首も見つかった。干し首には 頭髪が残っており、化粧を施したものもあった。そのうちの1つが最初に失踪したメアリー・ホーガンのものであった。 極めつけの加工品は「おっぱいつきベスト」である。このベストには乳首がつけられ、着用すると 女性に変身できるように作られていた。
 ゲインの自宅からは15の死体が発見されたが、彼が直接殺害したのは、失踪事件の二人の女性だけであった。 残りの死体は墓場から掘り出してきたものである。

 ゲインは最終的に、慢性的な精神障害(性的サイコパス)として無罪になったが、 「重度の精神病患者」として、刑務所ではなく、ミネソタ州立精神病院に収監された。 その後は精神病院で過ごし、1984年7月26日、癌による呼吸不全で死亡した。


 




004 シリアルキラーの扉
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