024 HIV感染者強姦事件 三木英夫
(被害者・関係者は仮名、敬称一部略)
事件概要
HIVに感染していることを知り、将来を悲観し自暴自棄になった男(三木英夫 当時47歳)が、2012年7月〜11月の間に見知らぬ女性5人を強姦した。
三木英夫
茨城県出身。その後、群馬県高崎市に移住し、一時期はプロゴルファーを目指すがカネに困り、'00年にゴルフ用品販売店に侵入し、クラブなどを盗み逮捕されている。 さらにその後、'03年には群馬県でコメの自動販売機を壊し、中から現金とコメを盗んだとして再び逮捕されている。
三木のHIV感染が判明したのは、2011年5月。当時三木は結婚し、妻も感染しているが、三木と妻のどちらからかの感染かは不明である。 妻と結婚していた時はまだ、三木の性欲が見も知らぬ女性に無差別に向かうことはなかった。
しかし、金銭トラブルにより、二人は'12年6月末に離婚してしまう。そして、妻の家を出た三木は、住む家も失った。
家もカネも仕事もなく自暴自棄になった三木は、「HIVが感染しても構わない」という考えで強姦に及んだのは、 妻と別れてから10日も経っていない頃だった。
犯行
2012年7月8日、三木は横浜市のマンションで一人暮らしをしていたA子さん(当時21歳)のマンションに侵入した。 午前2時頃、無施錠の玄関から堂々と侵入した三木は、寝ているA子さんの口を手で塞ぎ、そのまま首元から肩付近を押さえつけ、こう脅した。
「静かにしろ。騒ぐと殺すぞ」
三木は、恐怖で身動きができないA子さんに対して、さらにこう続けた。
「服を脱げ」
タンクトップを脱がせ、それを彼女の顔面に巻きつけて目隠しする。視界を遮られ怯えるA子さんを、三木は避妊具すら装着せず、強姦した。
8月には藤沢市に住むB子さん(当時22歳)のマンションに、無施錠のベランダから潜入。 首をタオルで絞め、両手をそのタオルで縛った後、自らの陰茎を舐めさせ、またしても避妊具を装着せずに行為に及んだ。
さらに三木はC子さん(当時22歳)、D子さん(当時25歳)、E子さん(当時23歳)と、最初の犯行から4ヵ月の間に合計5人もの女性をレイプした。 犯行後、財布や現金、下着などを盗んでもいる。
2度の恐怖
三木に強姦され、地獄を味わった被害者女性はさらに悲劇が待っていた
。 警察から電話で、「逮捕後、三木がHIVに感染していることが判明しました。ただちに病院で検査を受けてください」と 告げられたのである。
犯人が逮捕された後、犯人がHIVに感染していたことを知らされ、検査結果を待つまでの間、 ただでさえ強姦被害により相当な精神的苦痛にさいなまれていた被害者らが、どれほどの恐怖と不安を感じたか、 その心情は察するに余りある。
幸いな事に、検査の結果、被害者女性のなかにHIV感染者はいなかった。
逮捕後、三木は犯行の動機についてこう供述している。
「自分がHIVに感染していることを知り、残りどれくらい生きられるか不安を抱えていた。 エイズウイルスの増殖を抑えるために、薬を飲み続けなくてはならないことが苦痛だった」
裁判
2014年11月14日 横浜地方裁判所 懲役23年(求刑30年)
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事件の扉
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