013 江東マンション神隠し殺人事件 星島貴徳

(被害者・関係者は仮名、敬称一部略)



事件概要
 2008年4月18日夜、会社員の女性Rさん(当時23歳)が東京都江東区の自宅マンションから忽然と消えた。Rさんはマンションの最上階 に住み、マンションの監視カメラの映像の記録にRさんが外出した形跡が無いことから、マンション内で消失 した「神隠し事件」としてマスメディア各社がトップニュースで報じた。
 事件発生から1ヶ月後の5月25日、Rさんの2つ隣の部屋に住む男が逮捕された。男の名は星島貴徳(当時33歳)。 星島は女性を自分の性奴隷にするために、帰宅したRさんを拉致、自宅に監禁後に殺害し、死体をバラバラに 解体しトイレに流し隠ぺい工作を行った。

事件
 2013年4月18日午後6時30分ごろから、星島は自室のドアを少し開けて、性奴隷獲得目的でかねてより目をつけていた2件隣の女性の帰宅を待ち伏せていた。当時、マンションの 最上階には、星島と被害女性の2部屋しか住人は住んでおらず、4月18日は金曜日であった為、翌日と翌々日は休みである。この事からも 犯行の計画性がうかがえる。何も知らずに帰宅したRさんが部屋の鍵を開けブーツを脱ごうとした時、星島はRさん宅へ侵入。 Rさんに騒がれたため頭部を殴打し拉致、自室へ連れ帰った。

 自分の性奴隷にする為にRさんを拉致した星島であったが、女性を拉致した事にビビってしまい、事に及ぶことができない。Rさんの手足を 縛り心を落ち着かしていた。その間に、Rさんと同居していた姉が帰宅。室内の異変に気づき妹が居ない事を不審に思い警察に通報した。現場に 到着した警察官が星島の部屋を訪れ事情聴取が行われた後、星島は事件発覚を恐れRさんのの首に包丁を刺した。5分ほど経過しても被害者が死亡しなかったことから、 できるだけ早く死亡させるため、左手で包丁を抜き取って大量に出血させ殺害した。


証拠隠滅
 Rさんを殺害した星島は、包丁2本とノコギリを使い遺体の解体を始める。遺体の手足を関節毎にバラバラにし、首を胴体から切り離し 耳を削ぎ、素手で目をくり抜き、髪の毛を切断。遺体を鍋で茹で柔らかくする事で解体作業を円滑に進め、最終的に細かく砕いた肉片はトイレに流し、細かくできなかった部位は出勤途中にゴミ箱に捨てる等し、5月1日迄に遺体の全てを処理した。

 この間に警察は何度か星島の自宅を任意で家宅捜索を行っている。しかし、星島は遺体を冷蔵庫やベッドの下、段ボール箱などに隠した上で、事件とは無関係な段ボール箱を捜査員に見せて中身を確認させ 警察が中身を詳しく調べないだろうと考え、遺体の一部が入っていた段ボール箱をあえて自ら示し、中身確認を促すなど巧妙かつ大胆に振る舞った。


逮捕
 Rさん宅に残っていた指紋を警察が調べた結果、 犯人のものと思われる指紋がわずかに残っていた。 事件直後には星島を含むマンション住民全員から任意で指紋を採取していたが、 その時は、星島は何らかの薬品を使って指先の皮膚を荒らしていたため、 10指とも紋様が読み取れず、照合が不可能だった。 事件から1ヶ月後に再び警察が星島の指紋を採取した際には約1か月を経て皮膚は再生しており、 Rさんの部屋で発見された指紋と一致したため、2008年5月25日星島の逮捕へと至った。

 逮捕後、警察は下水管を捜索。Rさんのものと思われる骨組織49片、組織片172片が発見された。  それ以外は、いまなお下水道管などに留まっているとみられる。


本人歴
 星島は岡山県出身。1歳11か月の時に風呂場で大やけどを負い、両足にケロイド状の後が残ってしまう。 星島はこの火傷の為、女性との交際にコンプレックスを持ち、犯行を犯すまで女性との交際経験はなかった。
 地元の高校を卒業後は、上京し大手ゲームメーカに就職した。ゲームメーカを退職後は 派遣社員としてコンピュータ会社に勤務し月50万円の収入を得ていたが、両親との折り合いは悪く、 引っ越し先も告げず、10年以上連絡を取っていなかった。


裁判
 2009年1月13日 初公判(東京地方裁判所) 検察側は死刑を求刑
 2010年2月18日 判決 無期懲役 検察側控訴
 2010年6月11日 控訴審(東京高等裁判所)
 2010年9月10日 判決 無期懲役
 2010年9月25日 上告断念 無期懲役確定







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