009 呪われたUボート
−死んだはずの少尉を何人もの人が目撃−
1918年7月、アイルランド沖を漂流中、突如爆発したドイツのUボート・U65号は「亡霊に取り憑かれたのではないか」と噂されたいわくつきの Uボートである。
U65号は、爆発する前から実に事故が多く、建設作業中に一人の造船工が死に、処女航海の際も、機関室に煙が充満して3人が死亡した。修理後 武器を装備したときも、作業中に水雷の弾頭が爆発して11人もの死者を出した。
こうしてドイツのU65号は、いつしか「呪われたUボート」として乗組員に恐れられるようになった。中でも乗組員を恐れさせたのは、 11人がなくなった事故後にしばしば目撃されたという、死んだ少尉の亡霊である。
この少尉の亡霊を見たと言う証言は実に多く、ある者は舳先にたつ少尉を目撃して精神を病み、別のある者は少尉の幽霊に出会ったことでショックを受け 震えているところを保護された。この少尉の目撃談は、ドイツ軍だけでなくアメリカ軍からも寄せられた。U65号を攻撃目標としていたアメリカの潜水艦 の艦長も、潜望鏡をのぞいたときに、Uボートの舳先に腕組みをして立つ男の姿を見たと証言している。
その直後、U65号はアメリカ軍の攻撃を受けたわけでもないのになぜか大爆発を起こし、海の底に沈んでいった。
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怪奇の扉
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