007 熊本三歳女児殺害事件 山口芳寛

(被害者・関係者は仮名、敬称一部略)



事件概要
 2011年3月3日夜、熊本市内のスーパーで3歳の女児が1人でトイレに行った後、行方不明となった。防犯カメラの映像などから容疑者を特定。 男は「スーパーのトイレ個室内で殺害し、リュックサックに入れて運び出した遺体は川に捨てた」と供述。男の名は、山口芳寛(20)。 山口の供述通り、同市内を流れる坪井川近くの排水路で女児の遺体が発見された。

事件
 2011年3月3日夜、熊本市内のスーパーに家族で買い物に来ていた3歳の女児が1人でトイレに行った。しばらくたっても女児が戻らなかったため、 両親が女児を探しにトイレに行ったが女児はいなかった。家族はスーパー中を探し回ったが女児は見つからず警察に通報。警察が店の防犯カメラの 画像を調べると以下の映像が映っていた。
 2011年3月3日の19時半頃、スーパーに家族で買い物に来ていた女児(当時三歳)が一人でトイレに入っていき、女児の後を追うように 中が空のような大型のリュックを持った男がトイレに入って行った。19時45分ごろ、男は大きく膨らんだリュックを背負って出てきた。 この男は、午後4時ごろ店に入り、午後7時半ごろまでのおよそ3時間半にわたって、スーパーの トイレの近くを何度も行き来していた事も防犯カメラで確認されている。
 4日、女児の遺体が坪井川につながる排水溝内で発見された。防犯カメラの映像を手掛かりに、警察は熊本学園大2年の山口芳寛を事情聴取。 山口が少女をトイレで絞殺し、リュックに詰めて持ち出し坪井川近くの排水路に捨てた事を自供したため、死体遺棄の疑いで逮捕した。

人物像
 山口は事件現場から約1kmしか離れていない自宅に両親と弟の4人暮らし。 近所の人の話では、 「道で会うと必ずあいさつし、町内会の空き缶回収も一緒にやっていた」という。 また母親の 勤務先の話では「(母親の仕事が)夜遅くなると自転車でよく迎えに来ていた」と、母親思いの イメージが浮かぶが 山口が卒業した地元中学校の同級生の話では違った面もあった。 「キレたら怖かった。何を取り出してくるかわからなかった」 2009年に熊本学園大学福祉環境学科に入学するが、 同級生は「会話が全くない。ずっと下を 向いている感じだった。ひと言でいえばネクラ」「新人歓迎会で好きなタイプの女性の話になった時、『小学生ぐらいの女の子』とかが返ってきた」と話す。 そのためかどうか、月に1度の保育園の実習には 参加していたというが、その年の秋には学校に来なくなっていた。家宅捜索では 少女の裸などを描いたポルノ漫画が多数押収された。

 
裁判
 2012年10月17日の熊本地栽での初公判で山口はわいせつ目的と、死体遺棄については
 認めたが殺意は否認した。
 2012年10月29日 無期懲役(福岡地裁) 弁護側控訴
 2013年3月13日 控訴棄却(福岡高裁) 弁護側上告
 2013年6月26日 上告棄却 無期懲役確定(最高裁)




006 事件の扉 008
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